1999 Fiscal Year Annual Research Report
テレビゲーム使用が人間の暴力性に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
11710055
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
坂元 章 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 助教授 (00205759)
|
Keywords | テレビゲーム / 現実性 / 報償性 / メディア / 攻撃 / 暴力 |
Research Abstract |
本研究は、社会心理学の方法論に基づく実験によって、テレビゲーム内容の報奨性と現実性が、テレビゲーム使用が.人々の暴力行動の発達に及ほす影響を規定するかどうかを検討したものである。報奨性とは、プレーヤーがゲームの中で暴力行動を示したとき、それに対して、やる気や爽快感を感じさせるなどの報奨をどれだけ与えるかであり、現実性とは、登場人物、戦う場面、武器などがどれだけ現実さながらであるか、ということである。 まず、実験で使うゲームソフトを選定するために、予備調査を行った。14名のお茶の水女子大学の学生に11個のシューティングゲームのソフトについて、その報奨性と現実性を評価させ、その結果に基づいて、高報償性高現実性(ソルディバイト)、高報償性低現実性(ボカンですよ)、低報償性高現実性(バーチャコップ)、低報償性低現実性(スペースインベーダー)の4つのソフトを選定した。 続いて、実験を行った。お茶の水女子大学の学生53名に、15分間、これらのソフトのいずれかで遊ばせるか、あるいは、中性的な映画を見せた。したがって、これらの被験者は、5つの条件のどれかに割り当てられたことになる。こうしたメディア接触の後に、被験者は、他者に電気ショックを与える機会が与えられ そのときだ、どれくらいの量の電気ショックを与えるかが観察された。これが暴力行動の指標であり、この値が条件間で比較された。その結果、テレビゲームは大学生の暴力行動を促すこと、また、この影響は、報奨性や現実性が高い場合に強まることが示された。ソフトの作成にあたっては、これらの側面に配慮することが望ましいと考えられる。
|