1999 Fiscal Year Annual Research Report
日本人大学生の英語読解力向上に影響を及ぼす要因について
Project/Area Number |
11710057
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
赤松 信彦 上越教育大学, 学校教育学部, 講師 (30281736)
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Keywords | 英語教育 / 英語読解力 / 英語語彙力 / 英語読解メカニズム / 作動記憶 / 英単語処理能力 / 語学学習方略 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)英語語彙力および単語認識力の個人差を決定づける要因を解明し、(2)語彙力と単語認識力の伸長が読解力向上に与える影響の大きさを調べ、(3)難易度の異なる英文を読む際に使用される学習者の読解方略の変化を明らかにし、(4)英文読解中に使用される読解方略と読解力向上の関係について、モデルを構築することである。これは、2カ年研究の中間研究報告の概要である。 本年度は、被験者55名(平均的英語力を有する日本人大学生)を対象に、(a)英語語彙力(量・質)、(b)英単語認識力(速度・正確さ・効率性)、(c)作動記憶力(working memory)、(d)英語読解力、及び、(e)英語読解方略の5つの分野でデータ収集を行った。各要素の相関分析の結果、英文読解時における作動記憶力は読解力(R^2=.35;P<.05)と、英単語認識における正確さは英語語彙力(量)(R^2=.34;P<.05)と、そして、英単語認識における速度は単語処理時における作動記憶力(R^2=.32;P<.05)と、それぞれ有意な相関関係があることが明らかになった。また、英単語処理時の作動記憶力と英文読解時の作動記憶力との間には高い相関があることが示された(R^2=.50;P<.0001)。 現在は、語彙力と単語認識力の伸長が読解力向上に与える影響の大きさを調べるために、3ヶ月の間隔をおいて2度収集した単語認識力・単語力に関するデータと読解力向上との関連を分析中である。今後は、このような、英語力と読解力を構成する要素の関係について詳しく考察するために、さらにデー夕を収集する予定である。
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