1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11710058
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大島 純 静岡大学, 教育学部, 助教授 (70281722)
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Keywords | 自己説明 / 情報テクノロジー |
Research Abstract |
本研究では,概念的理解を促進するといわれる自己説明活動を情報テクノロジーを用いて支援することができるか,また,そのためにどのような機能が望ましいかを検討することであった.先行研究をもとに,テクノロジーの支援として今回考慮されたのは,(1)学習内容についての思考をダイアグラムを用いて表すコンピュータ・ツールであり,(2)その中で学習内容を二次元に意味のある形で表記するためにバックグラウンド・ビューの設定を加え,(3)さらにそれを有効に活用してもらうための教授を行った. 実験計画は,2(コンピュータ・ツールの有無)×2(教授支援の有無)の4条件を設定し,それぞれに配分された学習者(大学学部生)は,心理学の記憶のメカニズムについての講義テープを聞き,それについて自己説明活動を行った.学習者の概念的理解度は,自由再生課題の結果予測,その説明,さらには正しい結果の解釈の3側面が7ポイント・スケールで評価された. その結果,コンピュータ・ツールと教授支援の交互作用が認められ,その2つの条件がそろわなければ概念的理解を促進することが難しいことが明らかになった.すなわち,コンピュータ・ツールを与えるだけではなく,それを特定の学習活動に合わせて利用する方略的知識を教授することが概念的理解をより深めるためには重要であることが示唆されたのである.
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[Publications] Oshima,J.,K.,&Oshima,R.: "Conceptual Understanding through Self-Explaining Supported by a Knowledge Medium : Inquiry on Learning Recursion"Proceedings of the ICCS '99.
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[Publications] Oshima,J.,K.,&Oshima,R.: "Strategic use of knowledge media for conceptual understanding through self-explaining"Proceedings of the ICLS 2000.