1999 Fiscal Year Annual Research Report
短縮版学級風土アセスメント質問紙による学級改善方法の臨床的検討
Project/Area Number |
11710074
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
伊藤 亜矢子 お茶の水女子大学, 生活科学部・人間生活学部, 専任講師 (50271614)
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Keywords | スクールカウンセリング / 学校臨床実践 / 学級風土 / 中学校 / メンタルヘスル / 質問紙 |
Research Abstract |
現在、教師コンサルテーション等、教師とスクールカウンセラーの連携による問題解決の具体的な方法が求められている。問題解決の第一段階は、問題解決の指針を得るべく、現場の個別具体的な状況を的確に把握することである。学級崩壊に象徴されるように学校現場を舞台とした問題は、個々の児童生徒の問題を越え、学校や学級全体の問題として捉える必要があり、学校・学級の状態を把握する方法が必要である。そこで本研究では、教師コンサルテーション等で利用可能な学級の個別的な心理社会的特徴を査定する質問紙を作成し、短縮版の作成や介入研究によりその実践的な有効性を高めることを目的とした。まず平成9年度〜10年度奨励研究(A)「中学校の学級風土と生徒のメンタルヘルス」において独自の学級風土アセスメント質問紙を作成した。さらに平成11年度において次の3点を行った。第1に、平成10年度から11年度3月までの縦断研究として中学2年生1学期から中学3年生3学期まで同一の4学級を対象に各学期ごと6回、学級風土を査定し、学級の変化や実状を質問紙が把握し得るか質問紙妥当性の検討を行った。同時に担任教師らにその結果を基にしたコンサルテーションを行い質問紙による学級風土把握が、学級経営や生徒指導にどう有効であるか、質問紙の臨床的妥当性検討を行った。またこれにより、短縮版に選択すべき有効性の高い項目を内容面から検討した。第2に、これまでの調査結果を再分析し数量的分析面から短縮版の項目検討を行った。第3に、学級風土質問紙を用いた介入研究として、A中学校2年生を対象に、前年度末に質問紙によるメンタルヘルス調査を行い、その結果を考慮して学級編成を行った上で、各学級の学級風土を1学期3学期に測定し、学級編成とその後の学級指導について教師コンサルテーションを行った。
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