1999 Fiscal Year Annual Research Report
文化と社会的認知-日本における関係中心・個物抑制傾向-
Project/Area Number |
11710077
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
唐澤 真弓 東京女子大学, 現代文化学部, 助教授 (60255940)
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Keywords | 関係中心 / 文化 / 文化的自己観 / 社会的認知 |
Research Abstract |
本研究では、対人認知及び事物認知に関して、日本人被験者がどのような情報を取り入れるかを特に関係中心傾向と個物抑制傾向に焦点をあて、実証的に検討することを目的とする。今年度は、日本における対人認識における関係中心・個別抑制傾向についてを実験的に検討する研究1における刺激の作成と研究2を実施した。 研究1:対人認識における関係中心・個別抑制傾向 対人認識において、関係を優先し、また個別の情報を抑制するといった情報処理傾向が見いだされるかどうかを検討ため、画面上に呈示した対人関係を表す図式を作成する。本年度はこの刺激場面呈示のためのコンピュータを購入し、刺激場面の作成を行った。しかしながら、予備実験の結果、抽象的な刺激場面の抽出、および画像データの処理に時間がかかり、実験の実施は来年度となった。 研究2:日常における配色パターンの認識 事物の関係性の認識として、色同士の関係を表す配色パターンを、分析することとする。具体的には、子どもや男女それぞれになじみのある、絵本、キルト、ネクタイといった日本の日常生活の中で見いだされる事物から、日米における配色パターンを同定することを行った。具体的には日米のベストセラーとなっている代表的絵本10冊を選び、使用されている色の数、色のグラデーションパターンを分析する。また色のパターンだけではなく、そこに表されたテキストとしての文化的パターンの分析も行った。文化的な差異も見いだされたが、作家間の差異も大きいことが見いだされた。その結果絵本のどのような点を好むかの分析を行い、人々のもつ文化的要素を検討することを来年度に行うこととした。
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