2000 Fiscal Year Annual Research Report
共分散構造分析の応用的研究を促すための研究者向け教授法の開発
Project/Area Number |
11710078
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
豊田 秀樹 早稲田大学, 文学部, 助教授 (60217578)
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Keywords | 共分散構造分析 / 構造方程式モディング |
Research Abstract |
共分散構造分析では,他の多くの多変量解析モデルと異なり,固定化した数理モデルをデータに当てはめるのではなく,データの性質・実質科学的知見・先行研究・常識・事前情報等を利用して分析者固有の数理モデルを構成することができる. しかし応用的な広がりと共に,大変残念なことに,共分散構造分析は因子間の回帰分析である,というステレオタイプ的な理解が広がり,このままでは共分散構造モデルの真の応用可能性が認識されない可能性がある.そこで本研究では,文学部・教育学部・社会学部などの文科系の大学院生・研究者が,共分散構造モデルを自由自在に利用する技能を半年から1年で修得させる教授法・教授学習システムを研究・開発した. これまでの研究で,収集した各統計モデルとその適用例の整理を進める一方で,平行して試験的に作製されたカリキュラムを学部学生に提示し,カリキュラム中の難しい箇所,習得すべき知識,つまずきやすい技能を,プロトコル分析とスーパーバイズを通じてピックアップし,対策を講じ,文科系の学部学生用の教授学習特性に関する知見を蓄積した.以上の研究活動を通じて,特別の予備知識を持たない文科系の研究者が,共分散構造モデルを分析の道具として社会・人文・行動科学的な研究に,自由自在に応用できる技能を半年から1年の間に習得させる教授・学習システムを本年度中に完成させた.研究成果は,4本の論文にまとめ,査読を通過し,3つは印刷中である.また書物によってカリキュラムを公開し,学会・社会に還元した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 豊田秀樹: "構造方程式モデリングの学習のための文献的展望"行動計量学. 27・1. 35-42 (2000)
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[Publications] 豊田秀樹: "探索的ポジショニング分析-セマンティック・デファレンシャルデータのための3相多変量解析法-"心理学研究. (審査済み・印刷中).
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[Publications] 豊田秀樹: "確認的ポジショニング分析-印象変化の発見と認知マップの評価のための多変量解析法-"心理学研究. (審査済み・印刷中).
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[Publications] 豊田秀樹: "未使用のラッシュ型項目の母数の推定"心理学研究. (審査済み・印刷中).
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[Publications] 豊田秀樹: "共分散構造分析[応用編]"朝倉書店. 303 (2000)