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1999 Fiscal Year Annual Research Report

自分史における自己更構成の物語論的考察

Research Project

Project/Area Number 11710096
Research InstitutionTokyo Gakugei University

Principal Investigator

浅野 智彦  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00262220)

Keywords自己 / 物語 / 自分史
Research Abstract

本年の研究成果は以下の通り。
1.家族療法における「物語」の概念を検討し、アイデンティティの形成・維持・変容が自分自身について語られる物語(自己物語 self-narrative)を通して実現されることを確認した。この場合自己物語とは、
(1)過去の自分自身について現在の自分の視点から語るという反省性
(2)人生の諸体験が、選択的に配置され、ひとつのまとまりを付与されるという構造性
(3)このまとまりが、他者に受け入れられるように形成されるという伝達性
の三点を満たすような物語である。
2.上の理論的枠組みに依拠して、「自費出版図書館」(東京都)および「あゆみの図書館」(仙台市)に所蔵された多数の自分史を調査した。その結果、
1.自分史を執筆する動機に、家族や後輩など、身近な他者への経験の語り伝え(他者志向)と自分自身を振り返るため(自己志向)という二つの類型があることが分かった。
2.自分史の執筆動機として、現在の視点から過去を再構成する志向の強いもの(再構成志向)と過去の資料(日記や過去に書いた文章)をそのまま記録としてとどめようとする志向の強いもの(記録志向)という二つの類型があることが分かった。
3.そして自分史は新しいものになるほど、<他者志向・記録志向>から<自分志向・再構成志向>へと変わっていくことが理解された。

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Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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