1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11710108
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Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
加来 和典 下関市立大学, 経済学部, 助教授 (80214261)
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Keywords | 通勤化 / 出勤率 / 入勤率 / 宮崎県 |
Research Abstract |
本研究の目的は、農村地域の通勤化の実態を明らかにし、その要因や影響を生活構造論的視点から分析することにある。 本年度は、国勢調査の通勤データを使用し、宮崎県における通勤化傾向をみた。これに関しては、すでに「通勤と地域類型」[加来1997]において、1990年までのデータを使用した分析を試みている。今回は95年調査のデータをCDROMデータベースを利用して、市町村単位で分析した。宮崎県全体を90年と比較すると、常住地就業者数は3.88%の増加であった。このうち、自市町村就業者数は0.96%と微増であったのに対して、他市町村就業者数は20.26%とかなり増加している。他市町村就業者数の増加率を市郡別にみると、市部で24.13%、郡部で17.82%となる。1970年から85年までに見られたような激増ではないものの、市町村を超えての通勤化は依然衰えていないことが示された。なお、1970年を100とした場合、95年の県全体の常住地就業者数は111.60であるが、自市町村就業者数は97.41と減少し、他市町村就業者数は354.85となっている。宮崎県では、この25年間に、就業からみた地域連関構造が激変したことが示された。 先にあげた論文においては出勤率と入勤率を使用し、相互通勤の深化を分析したが、今回も95年データを用い同様の分析を行った。その結果、宮崎市と都城市に隣接するいくつかの町では、一層の相互通勤化が観察された。 次年度は、対象を他県にも広げた比較分析を予定している。また、国勢調査の小地域統計を利用し、丁字等を単位とする詳細な分析も試みる。さらに、集落調査を実施し、通勤の生活構造分析を行う予定である。
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