1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11710132
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
瀧澤 利行 茨城大学, 教育学部, 助教授 (80222090)
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Keywords | 健康推進学校 / 学校保健 / 新教育運動 / 健康教育 |
Research Abstract |
本年度は健康推進学校活動の全体像を把握するために、日本およびアメリカ合衆国の公衆衛生、学校保健および健康教育の展開の過程で、学校における健康推進がどのような教育目的や教育観にもとづいて構想され、計画化されたかを文献的に検討した。また、日本において健康推進学校活動として1951年(昭和26年)より1996年(平成8年)まで実施されてきた朝日新聞社主催の全日本健康優良学校表彰事業(平成3年からは健康推進学校表彰)の歴史を先行研究にもとづいて整理し、その成果と問題点を明らかにすることにつとめた。その結果、健康優良学校表彰はさまざまな批判を受けつつも、日本の戦後初期における新教育運動の影響を強く受け、経験主義的教育観と健康管理・健康教育活動と教科・特別活動との有機的構成、総合的学習活動の展開、学校教育への地域社会の参加などの特徴をもつことが明らかになった。 さらに、本研究では、各地域においてどのような活動が優れた健康推進学校として評価され、表彰の大正となっていったかを明らかにするため、前記の表彰事業において地方で審査を担った朝日新聞社地方本社における資料調査と具体的に推薦業務を行った各都道府県表彰会事務局(各都道府県教育委員会保健体育所管部局)数カ所のヒヤリングを実施した。その結果は、目下整理中である。 今後は、各年度において優秀校として表彰された実績のある学校の現地調査を実施し、表彰後に活動がどのように発展もしくは変容しているかを検証することにより、日本における健康推進学校活動の成果と課題を考察していくことを予定している。
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