1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11710134
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 毅 筑波大学, 社会工学系, 講師 (10233800)
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Keywords | ポスドク / 研究者養成 / 特別研究員 |
Research Abstract |
本年度は主として、(1)大学院研究科単位での定員充足状況を把握するためのDB作成、および(2)ポスドク修了後の常勤研究職を得るまでの期間についての実態把握を中心とする作業を実施した。DBについては現在データの確認及び分析を進めているところであり、本概要では、ポスドク修了者のその後についての調査結果を報告する。 任期の定めのない従来型の常勤研究職となった者以外にも、研究プロジェクト等を通じてリサーチアシスタントとして雇用されるケースや、あるいは非常勤の研究職、一定の任期の付された研究職など、ポスドク修了者の身分(資格)は非常に多様化しつつある。これらの身分(資格)は、1.常勤か非常勤かポスドクか、2.研究職か研究補助職か、3.任期の有無、という観点から分類することが可能である。 身分(資格)の位置づけに応じて給与等の待遇は異なるにもかかわらず、量的な拡充に伴ない、活動内容についてはこれら制度間の実質的な差は希薄化しつつある。その現れとして、ポスドクとして採用された者が当該職を非常勤研究職であると認知されているケースなども観察された。同一の名称でありながら、機関によって位置づけが異なるケースなどもみられる。大学によっては、社会的な認知度が低いポスドクに対して独自の身分を付与するケースもあり、これらの身分(資格)の分類を困難にしている。言い換えれば、これらの身分(資格)間のボーダレス化が進みつつあるといえよう。同時に、短い期間の「つなぎ」としてこれらの身分(資格)が活用されることもあれば、採用期間を終えた後再度これらの身分(資格)を重ねるケース「ポストポスドク」も一部の分野において現れつつある。
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