1999 Fiscal Year Annual Research Report
第一次世界大戦前の国際教育会議の系譜と日本の参加動向・影響関係に関する調査研究
Project/Area Number |
11710149
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
平田 諭治 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40311807)
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Keywords | 国際教育会議 / 教育交渉史 / 近代日本教育史 / 国際関係史 / 万国博覧会 |
Research Abstract |
今年度は、当初の研究実施計画に従って、(1)国際会議史全体のなかでの教育会議の位相、(2)国際教育会議の沿革と概要、(3)日本の参加状況、を解明することを目指し、そのための基礎的調査と資料収集を行った。まず(1)については、1938年アメリカで出された会議関係出版物の総合目録である、Gregory,W.,International Congresses and Conferences,1840-1937:A Union Listを基礎資料として活用した。データ入力サービス業者に依頼して、そこに掲載されている情報を、会議名・開催回数・開催地(国)・時期の順に電子データ化した。これはまだ素入力の段階であるため、購入したパーソナルコンピュータによって、今後統計的な通時的分析のためのデータベースを完成させる。つぎに(2)については、会議研究の基本資料となる議事録(proceedings)の調査と収集に努め、系別化を考えながらその整理を試みた。会議の種類と件数が膨大な数量に上るため、すべての議事録をただちに悉皆収集することは困難であるが、とくに万国博覧会に付設ないしは併設された会議を中心に収集・整理することができた。さらに(3)に関しては、公文史料の調査を通して、日本政府の参加状況を明治初期を中心に明らかにすることができた。 19世紀半ば以降、世界が帝国主義の時代を迎え、国民教育システムの整備・確立が急務とされるようになると、国際教育会議は欧米を中心に活発に開催されるが、日本は明治維新の頃より、急速な近代化を推進するなかで、相次ぐ万国博覧会に積極的に参加していき、その過程において会議の存在とその意義を見出していったものとみられる。
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