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2000 Fiscal Year Annual Research Report

ベトナムの近代化における「語り」-南部村落の事例による文化人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 11710177
Research InstitutionKumamoto Gakuen University

Principal Investigator

萩原 修子  熊本学園大学, 商学部, 講師 (60310033)

Keywordsベトナム / 南部村落 / カトリック教会 / 近代化 / 植民地主義 / 西洋文明 / 語り
Research Abstract

本年度も、昨年度同様、予定通り2度のベトナム現地調査を行った。夏期においては約3週間の調査を実施した。昨年調査許可を得た南西部のヴィンロン省マンティット県カイニョム町の村長宅に滞在し、町の人民委員会での聞き取り、寺院、ディン、教会などの宗教施設の調査と数戸の戸別調査を行った。人々のドイモイ下における生活状況の把握と歴史的なローカル資料の収集が主な収穫であった。ただ、カトリックの布教センターとしての機能をはたしていた教会が、くり返される省の統配合の結果、わずか数キロ離れた隣の省の一部として統合されたことが判明し、具体的なカトリックの布教状況にかんする調査や資料入手にまで踏み込めなかったのが非常に残念であった。春期の調査は、共同分担者として行った別の科研調査も入ったため、滞在約2週間のうち半分を当該地で行った。おもに、伝統的村民とカトリック教徒を数戸ずつ聞き取りし、儀礼への参与、経済生活の調査につとめた。
本研究の目的は、ベトナムの近代化の経験を現地レベルで、宗教的差違をあわせて捉えることであったが、それを包含する大きな枠組みはいまだ不十分であった。それが本研究を遂行し、現地資料を分析するにつれ、キリスト教とともに西洋がもたらした多くの近代的な思考や技術を「文明化civilaization」という視点から考察することの有効性を思い至った。文明化を掲げるキリスト教という西洋のひとつの指標が、植民地主義とかかわりながら、ベトナム社会の近代化においていかなる経験としてあったのか。この問題そのものを、文献資料と合わせて民衆レベルから考察していくという新たな枠組みを獲得したことが、本研究の成果である。

URL: 

Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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