1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11710210
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
高久 健二 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (00281197)
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Keywords | 楽浪郡 / 漢 / 梅原考古資料 / 朝鮮古蹟研究会 |
Research Abstract |
1.各研究機関(大学・博物館など)で刊行している考古資料所蔵目録、図録、雑誌を検索し、日本に現存している朝鮮楽浪郡関係の考古資料の所蔵状況を調査した。またすべての機関について調査が終了したわけではないが、比較的まとまった形で楽浪郡関係の考古資料を所蔵している機関を明らかにすることができた。現在、これらの所蔵機関ごとに所蔵遺物名、遺物の出土地、入手経緯などについてデータベースを作成中である。 2.財団法人東洋文庫に所蔵されている梅原考古資料を検索し、1945年までに日本人研究者によって調査された楽浪郡関係遺跡・遺物のデータを収集することができた。梅原末治考古資料として保管されている楽浪郡関係資料は数千点にのぼるため、そのすべてを検索することはできなかったが、1931年から1945年にかけて朝鮮古蹟研究会が行った楽浪郡関係遺跡の調査データについて調査することができた。1931年および1932年の調査データについては、すでに『朝鮮古蹟調査報告』として報告書が刊行されているが、1933年から1945年までの調査については、一部が『概報』という形で紹介されているだけであり、そのほとんどが未報告のままであった。しかし、梅原考古資料にはこの未報告の調査資料(調査日誌、実測図面、写真など)がかなりまとまった形で残されていることが明らかとなり、これまで不明確であった植民地統治時代末期の朝鮮楽浪郡遺跡調査の実態を把握することができた。 3.1のデータベースについては、将来、何らかの形で公開していく予定であり、さらに個別の遺物についても写真撮影、実測などを進めていく予定である。また、2の内容については来年度も継続して調査を進める予定であり、植民地統治時代に日本人研究者によって行われた遺跡調査の全容を解明していきたいと考えている。
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