1999 Fiscal Year Annual Research Report
全羅南道地域産土器の搬入状況から見た日本列島と朝鮮半島の交流関係
Project/Area Number |
11710221
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
小栗 明彦 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第2課, 主任研究員 (30250385)
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Keywords | データベース / カード / 全羅南道地域産土器 / 文献収集 / 資料見学 / 継体朝 / 豪族 / 政治的関係 |
Research Abstract |
まず、出土土器資料のデータ化を行うために、データベース作成用カードの様式を決定し、カード用紙を作成した。次に、補助員を一部用いて、全羅南道地域産土器が出土している遺跡の調査報告書等の文献収集に取りかかり、和歌山県、兵庫県、岡山県東部、愛知県東部、北陸地方、九州の一部について、文献収集・資料見学を終えた。資料見学の際には、作成したカードを用いてデータを記入していく方法をとった。また、資料収集の過程において、北関東地方においても、少量出土していることが明らかとなった。カードを作成した資料について、データベースソフトヘの入力は未だ行えていない。現在までに明らかになったことをまとめると、継体朝を支えた豪族の存在が考えられると共に、全羅南道光州月桂洞1号墳出土の埴輪と類似性が見られる埴輪を出土した矢田野エジリ古墳が存在することから、全羅南道との関係も強いと考えられた北陸地方の福井県・石川県については、発掘調査件数が少ないことも相まってか、福井県において数点破片が出土しているのみであり、現段階では全羅南道と北陸との関係は薄いと判断せざるを得ない。反対に、福岡県においては、地理的条件もあってか、沿岸部において多量に出土しており、政治的関係を越えて民間交易関係も考慮する必要がでてきた。次年度に計画する奈良県、大阪府など近畿地方中央部、滋賀県、愛知県西部での状況によっては、当初の想定を再検討しなければならない状況になる可能性がある。
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