2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本語形容動詞対照語彙表データベースの作成とそれに基づく語彙論的研究
Project/Area Number |
11710228
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Research Institution | Osaka International College |
Principal Investigator |
村田 菜穂子 大阪国際女子短期大学, その他の部局等, 講師 (60280062)
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Keywords | 形容動詞 / 語彙データベース / 対照語彙表 / 語彙量 / 語構成 / 数量的分析 |
Research Abstract |
昨年度に続き、平成12年度は、「日本語形容動詞対照語彙データベース」の完成に向け、種種の補正と資料の有効性を示すための数量的分析の実践、および形態分析のための分類(コード化)作業の試みと方法論の改良を行った。 1.「日本語形容動詞対照語彙データベース」の公開に向け、単位基準の見直し、用例数の点検や校正等、語彙表の完成度を高めるための精製作業を行い、中古散文作品の「日本語形容動詞対照語彙」を中間報告という形で公表した。 2.「日本語形容動詞対照語彙データベース」を用いて、語構成の異なる二つの形容動詞、〜ゲナリと〜カナリについて量的な側面から考察し、副詞分出型の語と新造語型の語とでは中古散文作品における出現状況に大きな違いがあるという結果を導き出し(論文発表)、「日本語形容動詞対照語彙データベース」の資料的有効性の一例を示した。また、中古散文24作品・鎌倉軍記3作品について、以下のような資料の作成も行っている。(1)対照語彙表および使用頻度順語彙表(2)作品別・時代別の異なり語数・述べ語数、用語使用率対照表(3)逆引き対照語彙表(4)各作品に用いられている語の類似度分析資料(クラスター分析) 3.形容動詞の形態分析をより精密に行うに先立って、まずは研究の進んでいる形容詞について語構成要素および造語成分の分類(コード化)作業等を行い、語構造および造語法を考察するとともに、複合形容詞の増加や和歌に使用される形容詞が極端にク活用に偏っていることを数量的に示した(論文発表)。これら形容詞の形態分析をもとにして方法論の改良や得ちれた成果を参考にして、次年度は形容動詞の形態分析を進展させ、その結果から得られた知見を順次発表しる予定である。
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[Publications] 村田菜穂子: "平安時代の形容動詞-〜ゲナリと〜カナリ-"国語学. 52・1. 16-30 (2001)
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[Publications] 村田菜穂子,岩田俊彦: "中古散文作品の形容動詞対照語彙表"大阪国際女子大学紀要. 26・2. 197-222 (2001)
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[Publications] 村田菜穂子: "八代集の形容詞-語構成論的考察-"帝塚山学院大学日本文学研究. 31. 60-75 (2001)
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[Publications] 村田菜穂子: "八代集の形容詞-語彙の計量的考察-"甲南国文. 48. 191-202 (2000)