1999 Fiscal Year Annual Research Report
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11710236
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| Research Institution | Kumamoto University |
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Principal Investigator |
小川 剛生 熊本大学, 文学部, 講師 (30295117)
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| Keywords | 百寮訓要抄 / 官職制度 / 職原抄 |
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| Research Abstract |
1.主たるテーマと定めた、二条良基の官職制度解説書『百寮訓要抄』の本文研究を進捗させた。全国に散在する40本ほどの写本のうち、今年度は、静嘉堂文庫蔵本・内閣文庫蔵本・秋田県立図書館蔵本・国立歴史民俗博物館蔵本などの書誌を調査し、紙焼写真を購入するなどして、ほぼ諸本の調査・分類を終えた。本文は三系統八種類に分類されるようで、良基自身の修訂の形跡も明きかになった。また三種類ある版本を調査し、いずれの無刊記版を含めて、江戸前期までの刊行であることを知った。
2.併せて、江戸時代の国学者の手になる同書の注釈書の調査に着手し、『百寮訓要抄直説』『百寮訓要抄詳解』『百寮訓要抄別註』などの存在を明らかにし、静嘉堂文庫・内閣文庫などより紙焼写真を購入した。これらの注釈書は、本文批判の際にも有益である。
3.官職制度書の記述は、実際の公家の任官の慣例を考えるにも有用である。南北朝時代の皇族出身で後に臣籍に降った四辻善成は、『源氏物語』の研究で名高い。この公家の経歴を考証する際に、同時代の北畠親房の『職原抄』や、戦国時代の吉田兼右の手になる『官職難義』の記述を援用し、もって善成の北朝官廷に於ける立場(具体的には摂関家の子弟としての扱いを受けていたこと)などを明らかにした。この成果は『国語国文』平成12年7月号に掲載される。
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[Publications] 小川剛生: "南北朝期の和歌御会始について"和歌文学研究. 78. 35-49 (1999)
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[Publications] 小川剛生: "二条良基の歌論と連歌"国語と国文学. 76-6. 42-54 (1999)
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[Publications] 小川剛生: "二条良基-有職学と古典研究-"国文学解釈と鑑賞. 64-10. 30-38 (1999)
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[Publications] 小川剛生: "四辻善成の生涯"国語国文(近刊). (2000)
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[Publications] 小川剛生ほか: "歌論歌学集成第十巻"三弥井書店. 457 (1999)
