1999 Fiscal Year Annual Research Report
横光利一を中心とする1920年代モダニズム文学の研究
Project/Area Number |
11710239
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
十重田 裕一 早稲田大学, 文学部, 助教授 (40237053)
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Keywords | 横光利一 / 1920年代 / ストリンドベリイ |
Research Abstract |
今年度は、資料収集を主たる研究の目標としたが、それは『定本 横光利一全集 補巻』(河出書房新社 1999・10)に結実した。この『補巻』は、既刊の『定本 横光利一全集』全16巻(河出書房新社)に未収録の資料を集め、校訂を施し公刊したものである。2段組で500頁をこえる資料の収集及び本文の編集・校訂、解題・研究ノートの執筆を、保昌正夫氏とともに行った。 本研究の目的の一つに、横光利一における外国文学受容の問題を出版メディアとの相関性のもとに検討することを掲げた。これについては、まず、「横光利一の習作期と〈外国文学〉---ドストエフスキーとストリンドベリを中心に---」(早稲田大学比較文学研究室第175回例会 1999・10・1)という題のもとに、学会発表を行った。ここでの成果は、今後いくつかの論文にまとめる予定であるが、さしあたって、「鏡としてのドストエフスキー、ストリンドベリイ、志賀直哉--大正期・横光利一への視覚」(「国文学 解釈と鑑賞」第829号 2000・6 至文堂)が公刊される。 この他、本研究に関連する論文以外の研究実績としては下記のものがある。「横光利一研究展望」(『川端文学への視界 14』 1999・6 教育出版センター)、「横光利一座談会--ある不用意な作家の肖像」(「早稲田文学」第24巻6号 1999・11)、「『定本 横光利一全集 補巻』刊行に際して」(「日本近代文学館」第172号 1999・11・15)、「書評 保昌正夫著『横光利一--菊池寛・川端康成の周辺』」(「図書新聞」第2477号 2000・3・11)。
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