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1999 Fiscal Year Annual Research Report

保険目的物の関係者の利害調整をめぐる横断的考察

Research Project

Project/Area Number 11720019
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

山本 哲生  北海道大学, 法学部, 助教授 (80230572)

Keywords被保険利益 / 重複保険 / 代位
Research Abstract

アメリカでは、モーゲージ(mortgage)が保険の目的物に設定されている場合について、担保権者が保険金を取得したときに被担保債権がどうなるかは典型的には保険料負担者が誰かによって異なる。担保権者が負担者であれば被担保債権は消滅しないのが原則である。日本では譲渡担保権者が保険金を取得した場合には被担保債権と清算されるのが前提のような議論が多いように思われるが、この点も検討の余地がある。
また、担保権者と設定者の両者が保険金請求権をもつときの保険金の配分については、アメリカでは担保権者が被担保債権額まで保険金を優先的に取得できるのが通例である。もっともこれは保険契約の内容がそのようになっていることにもよる。このときに設定者が取得できる保険金の額については、保険金額の範囲内で所有者としての被保険利益の額と担保権者に支払われた額の差額に限られるとする判例もあるが、被保険利益の額まで保険金取得を認めるかのような判例もある。
また、不動産売買当事者がそれぞれ目的物について保険に加入した場合についても、代金債権などとの関係で各当事者がどれだけの保険金を取得できるかについては様々な判例がある。
このような問題についての一般論としては、保険契約に関する障害てん補の原則(principle of indemnity)、personal contractの原則、保険者の不当利得(被保険利益以上の保険料取得による)を防止すべきであるとの原則、契約者の合理的期待保護の原則をいかに調整するかが問題であるとの指摘がある。今後はこのような一般論の検討とこれらの原則が具体的場面でそれぞれどのように調整されているかを判例分析を通して検討することを予定している。

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Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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