1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11720027
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高田 美夏 (横山 美夏) 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (80200921)
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Keywords | 契約 / 第三者効 / 対抗 |
Research Abstract |
本研究は、契約の第三者に対する効力に関するフランス法の学説・判例を検討し、日本法と比較することにより、わが国における契約の効力と第三者との関係を考察し、同時に、現代における複雑な契約関係をめぐる具体的紛争解決規範を提示することを目的とする。このうち、本年度は、まず、契約と第三者との関係に関するフランス法の調査研究を行った。その結果、フランスでは、様々な契約類型において、判例が契約の第三者に対する効力を肯定していることがわかった。学説も、契約によって生じる物権あるいは債権の第三者に対する対抗力としてではなく、契約そのものの対抗力として第三者に対する効力を当然のこととして認めている。もっとも、契約に、そのような第三者に対する抗力が生じる法的根拠については議論があり、従来は、他人間に締結された契約であっても、社会的事実として尊重しなければならないとする見解が支配的であったが、最近では、契約の効力そのものとして理解する有力説も主張されている。このような有力説は、契約の効力には、当事者間の効力と第三者に対する効力とがあると観念した上で、両者の理論的整理を行っている。一方、わが国の判例・学説を見ると、第三者との関系は契約によって生じる権利の問題としてのみ扱われ、そのため、債権の相対効などが障害となって、議論に広がりがないことがわかった。しかし、わが国は、契約法についてフランスと法制度そのものはかなり共通することを考えれば、契約の対抗力は、わが国においても、十分検討に値すると考えられる。
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