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1999 Fiscal Year Annual Research Report

中止未遂の理論的検討及び司法実務における機能的考察

Research Project

Project/Area Number 11720037
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

金澤 真理  山形大学, 人文学部, 助教授 (10302283)

Keywords中止未遂 / 未遂犯 / ドイツ法
Research Abstract

本年度は、主に文献資料の収集、とりわけ日独の立法資料、裁判資料を中心に調査収集した。
その資料の一部を用いて、日本の中止未遂論に多大な影響を与えたドイツにおいて、現在もなお少なからぬ支持者を有する刑事政策説の理論的系譜を探求し、論文にまとめた(「中止未遂における刑事政策説の意義について(一)」)。本論文においては、刑事政策説の祖と称されるフォイエルバッハの唱えた論は、実は現在の意味における刑事政策説とは異なり、むしろ彼は未遂犯の可罰性を否定する性質を中止未遂に見出していたことを論証した。刑事政策説は、その後、フォイエルバッハの高弟ミッテルマイヤーが、中止未遂が未遂の可罰性に影響を与えることを否定したことにより、理論化されたものである。ドイツライヒ刑法及び現行刑法の制定過程を通時的に調査することを通して、中止未遂の存在意義を、未遂の中止を奨励することにあると説く純粋な刑事政策説(奨励説)の特色は、未遂と中止未遂とを分断して捉える点にあったことも判明した。
だが、近時、中止未遂を未遂の当罰性を排除するものであると位置づける見解が再度有力化しつつあり、その中で刑事政策説も変容を迫られている。次なる課題は、かかる刑事政策説の変容とその意義とを検討することである。さらに、未遂と中止未遂との関連を違法性、有責性、さらに量刑の側面からも探求することを予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 金沢 真理: "中止未遂における刑事政策説の意義について(一)"法学. 63巻5号. 39-81 (1999)

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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