1999 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ自動車部品取引の実態調査-企業システムの国際的適応の実証的研究
Project/Area Number |
11730023
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
平野 健 福島大学, 経済学部, 助教授 (10251456)
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Keywords | 自動車産業 / 自動車部品 / QS9000 / VE・VA / クロス・ファンクショナル / デザイン・イン / モジュール方式 |
Research Abstract |
本年度は8月15日から31日まで約2週間、アメリカ合衆国に渡り資料(調査報告書、図書、論文、ワーキングペーパー、雑誌記事等)の収集を行い、秋から冬にかけてこれらを読むとともに、インターネットを通じて日経テレコン21による新聞記事収集、各種関連ホームページからの情報入手を行った。以上をもとに1990年代のアメリカ自動車産業の部品取引および同部品産業の動向を整理すると以下のようになる。 部品の品質管理に関しては、1980年代より優秀メーカーの表彰制度、統計的工程管理の奨励などが行われたが、1994年にQS9000の導入が決定され、1997年前後に実施が開始されている。QS9000に対する日系トランスプラント、他産業業界の反応は多様である。部品コスト削減を進めるためにアメリカ自動車メーカーは「生産性向上ワークショップ」を選択的に部品メーカーに派遣し、約1週間の作業を通じて部品メーカーの工場の生産性を向上させている。またVE・VAを遂行するために企業内にクロス・ファンクショナル・チームを設け、部品メーカーや部品購買担当者にも参加させている。デザイン・インによる部品メーカーの開発過程への参加はさらに発展し、モジュール方式の採用が進んでいる。以上からアメリカ自動車産業では日本の部品取引方式を移入するにとどまらず新たな工夫と改善を施していることがわかる。また自動車メーカーのグローバル展開にともない部品メーカーにも世界の各地(組立工場近隣)で同じ部品を供給することが要請されてもいる。 以上の動向は自動車部品メーカーに階層分化と淘汰を促しており、大手メーカーの間では生き残りをかけた提携とM&Aが進行している。
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