1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11730045
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
矢後 和彦 東京都立大学, 経済学部, 助教授 (30242134)
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Keywords | 国際決済銀行 / 国際通貨体制 / 中央銀行 / 国際関係 / 国際ケインズ主義 / 金融システム / フランス銀行 / 日本銀行 |
Research Abstract |
当初研究計画にしたがい、国際決済銀行の政策展開を、同行の内部資料に即して検討した。検討の中心は1930年代から1940年代におき、同行の創設理念、創設期の論争、各国中央銀行との関係などを解明した。これらの資料の複写等に消耗品費の一部を利用した。 また、設備備品費に予算計上した国際通貨・金融史関係図書を利用して、当該期の国際金融システムにかかわる図書類を購入し、資料として活用した。これらの図書類をつうじて、これまであまりふれらなかった同時代の論争史があきらかになった。 さらに、国際決済銀行と各国中央銀行の関係について、フランス銀行と日本銀行を対象に研究をおこなった。フランス銀行については、フランス銀行史関連のマイクロフィルムの複写をおこない、同行における国際決済銀行の独自な役割があきらかになった。このマイクロフィルム複写作業にかかる謝金を、本予算から支出した。日本銀行については、日本銀行金融研究所、ならびに大蔵省財政金融研究所の協力を得て、両研究所所蔵の資料を閲覧・解析した。 以上の研究の結果を、東京都立大学経済学会Reseach Paper Seriesに一部掲載した(第10号、1999年7月刊行)。この論文は、英文で執筆され、国際決済銀行の資料室にも寄贈された。本論文は、国際決済銀行資料室長クレメント(Piet Clement)氏、パリ第10大学教授ファイアタグ(Olivier Feiertag)氏をはじめ、国際決済銀行研究の指導的な研究者からも高く評価されている。
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