1999 Fiscal Year Annual Research Report
資産価格におけるファンダメンタル価格と合理的バブルに関する実証研究
Project/Area Number |
11730050
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福田 祐一 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 助教授 (00243147)
|
Keywords | ファンダメンタル価格 / 合理的バブル |
Research Abstract |
本研究「資産価格におけるファンダメンタル価格と合理的バブルに関する実証研究」は、資産価格の中で合理的バブルで説明される部分がどの程度あるのかを理論的、実証的に解明することを目的としている。そこで、平成11年度は理論モデルの検討と実証の準備にあてることを予定していた。このため、まずこの分野の文献の展望を行った。これにより、(1)現実の資産価格がファンダメンタル価格あるいはそれと合理的バブルの和となる効率的市場の枠組みでとらえることができるのかという実証分析が数多くなされてきていること、(2)現実の資産価格変動が効率的市場の枠組みとは整合的でないとする実証研究が多いこと、(3)(2)の結果を受けて現実の資産価格変動を効率的市場とは整合的でない非合理的要因で説明しようとする試みがなされていること、等が明らかになった。次に、理論モデルの構築を行った。(1)の研究の多くで一定の割引率が仮定されいるが、この仮定は短期金利や株式などの危険資産への投資に対して投資家が要求するリスクプレミアムが一定であるということを意味している。現実を見れば、この前提は満たされてはいない。そこで、可変割引率を想定した時の合理的バブル検証のための条件の導出を行った。ここでは、合理的バブルの検証条件として用いられてきた条件の1つは、可変割引率のもとでも引き続き検証条件となるものの、別の条件は成立しないことが明らかになった。この結果を用いると、今までの合理的バブルの存在を支持していた研究がどの検証条件を用いているかを調べることで、可変割引率という現実的な仮定のもとでも合理的バブルが支持されるのかどうかを検討することができる。
|
Research Products
(1 results)