1999 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業の知識移転能力としてのマザー工場システムの進化プロセスの比較研究
Project/Area Number |
11730059
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
山口 隆英 福島大学, 経済学部, 助教授 (90272096)
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Keywords | 技術移転 / マザー工場 |
Research Abstract |
11年度は、松下電器、ソニー、トヨタ、および、ホンダという研究対象予定企業マザー工場システムについて、各企業について個別に資料収集および分析を行なった。第一に、松下電器については、北京にあるブラウン管工場の設立プロセス、および、マレーシアにあるエアコン・グループと国内工場との関係について考察を進めている。ブラウン管工場とエアコン・グループでは、マザー工場と海外工場の関係に違いがある。ブラウン管の場合、マザー工場は海外工場の立ち上げに中心的な役割を果たした。一方、エアコン・グループは、国内と海外の技術水準が双方ともに高く、国内のマザー工場と海外工場との関係に新しい特徴が見られてきている。第二に、ソニーについては、シンガポールのブラウン管の設立プロセス、それにかかわる日本国内のマザー工場との関係、独立の社内技術移転支援部隊の役割を整理しながら分析を進めている。第三に、トヨタについては、訪問調査を行い、トヨタ自動車の国内工場と海外工場の関係について調査を行なった。トヨタの場合、各自動車の生産ラインを抱える工場が、海外工場の各ラインに責任を負うシステムになっている。製品ライン支援のネットワーク化の進展をどのような形でマネジしているのかを中心に分析を進めている。そして、第四に、ホンダについては、トヨタと同様に、海外子会社での生産車種の拡大とともに進む技術移転支援関係のネットワークに注目して研究を進めている。あわせて、海外工場の成長に伴って、本社から海外子会社への単純なワン・ウェイ・フローだけでなく、海外工場を拠点とした新たな技術フローが発生することに注目して分析を進めている。 次年度は、以上の結果をふまえて各企業間の比較研究を行い、研究成果を発表したい。
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