1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11730064
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
涌田 幸宏 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (30255020)
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Keywords | 地域企業 / 地域活性化 / ネットワーク / 地域型住宅 |
Research Abstract |
本研究は、地域活性化のプロセスについて、地域企業と地域社会との相互進化という視点から理論的・実証的に分析することを目指している。この目的を達成するために、平成11年度においては、まず科学技術庁科学技術政策研究所、東京都庁、岐阜県庁、浜松などを予備調査として訪れ、、自然環境保全の側面から地域振興に取り組む地方自治体ならびに地域企業の事例を得ることができた。このため、平成12年度の研究計画としては、地域企業を地域の住宅産業に焦点を絞り、林業・地域工務店、建築家・地方自治体および地域の生活者との相互進化プロセスを分析することにしている。各地域での調査から、現在、その地域の木材を使って、その土地の気候に適した住宅を建設するという運動が創発的に起こってきている。こうした地域型住宅運動は、地場の林業家と製材所、有志の建築家、地域工務店および住まい手がネットワークを組んで推進しているものであり、国産材を使うことで山の活性化につながるとともに、地域産業の活性化にも貢献する。平成11年度においては、地域型住宅運動のひとつの代表例として、吉野杉を利用した地域工務店のネットワーク(木陽倶楽部)を取り上げ、その動向と設立プロセスを解明した。 平成12年度は、この視点をさらに発展させ、木陽倶楽部の追跡調査を行うとともに、北九州の日田地域、山口、秋田、土佐、東京都などを対象として、各地域における地域型住宅運動と地域振興策について検討を加えることにしている。そして最終的には、地域活性化におけるエコロジカル・ネットワークの形成について、提言することを目的とする。
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