1999 Fiscal Year Annual Research Report
有限単純群の分類定理の応用及び単純群の部分群の構造の研究
Project/Area Number |
11740002
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
千吉良 直紀 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (40292073)
|
Keywords | 有限群 / 単純群 / 素数グラフ / 母関数 |
Research Abstract |
1.単純群を調べるためにそれを含む大きな群を研究する必要もある。古典群はその1つの典型的な群である。有限群の部分群の構造やその性質を調べるための1つの手段として母関数がある。同型な部分群の個数を数えることにより有限群の部分群の入り方を見ることが出来る。古典群H_n=GL(n,q),SL(n,q),GU(n,q),Sp(2n,q),O^±(n,q)の部分群の構造を見るため、母関数f(G,H_n;x)=1+Σ^<n=1>_∞H(|H_n|)/(|Hom(G,H_n)|)x_nを具体的に求めた。これにより古典群のある種の部分群の個数がきちんと計算できるようになった。また、母関数を考えたことにより、Rogers-Ramanujanの等式やq-微分、ブール代数との関連から出てくるメビウス関数を使った等式など代数、表現論、q-関数論、組合せ論といった様々な分野の関連性も見いだすことが出来た。具体例を計算するにあたり群論組合せ論計算ソフトMAGMAが有効に用いられた。これらの仕事については、2000年1月の京都数理研における"有限群論と代数的組合せ論"研究集会等で一部を発表した。(この研究は室蘭工業大学竹ヶ原裕元氏、北海道大学吉田知行氏との共同研究である。) 2.鈴木通夫氏による素数グラフに関する結果とファイト・トンプソンの定理は単純群の奇数位数の部分群を調べる上で有効な手段であるということが再確認された。鈴木通夫氏の結果についての解説と素数グラフについてのいくつかの結果について2000年1月の京都数理研における"有限群論と代数的組合せ論"研究集会等で一部を発表した。はじめに述べた2つの定理の詳しい内容を検討することにより単純群の奇数位数の極大部分群の構造の研究、あるいは奇数位数のある種の部分群の研究に重要な役割をすることが期待できる。この点について明確にすることは次年度以降の継続研究としていく。
|
Research Products
(1 results)