1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 愛一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10283590)
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Keywords | 多元環 / 強近似定理 / 素因数分解 |
Research Abstract |
[1]強近似の不成立例と、Eichler型強近似定理の定式化 代数的数体上の多元環について知られているEichler型強近似定理を、一般の体について考察することが目標である。 PlatonovはSL_1(D)が弱近似性をもたぬような体Kを作っている。筆者の研究により、この反例がEichler型強近似定理の反例にもなっていることが確かめられ、このままでは一般化できないことが分かった。 一方明らかに交換子群[D^x,D^x]はつねに弱近似性をみたすので、これについて強近似性の成否を問うことは意味が残っている。そこで一般の係数体の場合は、強近似定理はSL_1(D)に対してではなく[D^x,D^x]について問題にすべきであると、筆者は問題を定式化しなおした後、その研究を続けている。[D^x,D^x]に対して強近似定理の成立例しか知られていないが、これが成立しない例があれば見つけること、それが見つかったとき、よりゆるい条件(a′)や(a″)なら成り立つかを問題として追求している。 [2]円分数の素因数分解 著書「円分数の素因数分解(その4)」において円分数の素因数分解の計算結果をまとめ、あわせて論説をつけた。その結果は「奇数の完全数はない」との有名な予想の検証(10^<300>以下)に役立つ。単なるルーチン化された計算ではなくケースに応じていろいろ工夫が必要であり、可成りの習熟を要する。
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[Publications] 山崎 愛一: "アデール郡と近似定数"整数論サマースクール報告集. 7. 242-263 (2000)
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[Publications] 山崎 愛一: "LatticeのcancellationとEichler condition"環論シンポジウム講究録. 31. 198-203 (1999)
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[Publications] 森本光生・木田祐司・山崎愛一: "円分数の素因数分解(その4)"上智大学講究録. 227 (1999)