2000 Fiscal Year Annual Research Report
偏極多様体の随伴束と豊富な因子との交点数の下限についての研究
Project/Area Number |
11740022
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
福間 慶明 高知大学, 理学部, 助教授 (20301319)
|
Keywords | 射影多様体 / 豊富な因子 / 偏極多様体 / 不正則数 / 断面種数 / 随伴束 |
Research Abstract |
Xが非特異射影多様体でLを豊富な因子とする。このとき(X,L)を偏極多様体と呼ぶ。dimX=3でXが一般型(つまりXの小平次元κ(X)が3のとき)K_XL^2の下限をXの不正則数q(X)を用いて下から評価することを今年度の目標にした.今年度においてはdimH^0(L)【greater than or equal】3の場合について次の結果をえることができた: (1)dim Bs|L|【less than or equal】0かつh^0(K_X)【greater than or equal】2の時もしくはdim Bs|L|【greater than or equal】1,h^0(K_X)【greater than or equal】2,かつ|K_X|が線形束からなる時K_XL^2【greater than or equal】q(X)-1が成立する. (2)dim Bs|L|【greater than or equal】1,h^0(K_X)【greater than or equal】3,かつ|K_X|が線形束からならない時,K_XL^2【greater than or equal】[(-1+√<5>/2)(q(X)-1)]が成立する. (ただしBs|L|は完備線型系|L|の基点の集合をあらわす.)(この論文については現在投稿中である.) 本来の目標はK_XL^2【greater than or equal】2q(X)-6を示すことであったが、今年度中には上記のことまでしか証明できなかった.しかし不正則数を用いた下限についての明確な不等式を得られたことは(X,L)の断面種数g(L)による分類を行う際に重要な意味を持つと思われる. またdim X=3の時Xの小平次元κ(X)が0【less than or equal】κ(X)【less than or equal】2でh^0(L)【greater than or equal】3の時は、K_XL^2【greater than or equal】2q(X)-6となることが示され、さらにXの小平次元が-∞のときは次のことが示された:κ(K_X+tL)【greater than or equal】0のとき、(K_X+tL)L^2【greater than or equal】2q(X)-2(3-t)が成立する.ただしtは正の有理数でκ(K_X+tL)はK_X+tLの飯高次元をあらわす.(なお、この論文については受理された.)
|
Research Products
(1 results)