1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740027
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
前田 英敏 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10229312)
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Keywords | 一般偏極多様体 / 豊富なベクトル束 / アジョイント束 |
Research Abstract |
Xをn次元の非特異複素射影代数多様体とし,Eを,n-r次元のXのある非特異部分多様体Z上で消滅するような大域切断を有する階数rのX上の豊富なベクトル束とする.階数rが1であれば,この条件は,与えられた多様体Zを豊富な因子として含むことができる多様体Xの構造を決定するという,豊富な因子による多様体の分類という意味から偏極多様体の分類に関して極めて重要な位置を占める問題の仮定と全く一致している.この研究の目的は,上記の条件の下で,Zが比較的取り扱いやすい多様体である場合に,多様体XとX上の豊富なベクトル束Eから成る一般偏極多様体(X,E)の構造を明らかにして,一般偏極多様体の分類理論を展開することであった. 今年度は,まず,X上の豊富な直線束HをZ上に制限して得られる偏極多様体(Z,Hz)のアジョイント束が,随伴理論において特別である場合を扱った.具体的には,Zの標準直線束をKzとするとき,tがZの次元n-rに近いときにアジョイント束Kz+tHzが数値的に半正にはならない(X,E,H)を分類した.また,(Z,Hz)が他の偏極多様体よりも比較的取り扱いやすいデル・ペッツォ多様体の場合にも,(X,E,H)の構造を完全に決定した.さらには,上記の2つの結果を用いることにより,(Z,Hz)が非特異曲線上の2次超曲面ファイバー束という仮定の下で以前に分類していた(X,E,H)の結果を,改良することにも成功した.
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[Publications] Antonio Lanteri: "Ample vector bundles of curve genus one"Canad.Math.Bull.. 42・2. 209-213 (1999)
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[Publications] Antonio Lanteri: "Special varieties in adjunction theory and ample vector bundles"Math.Proc.Cambridge Philos.Soc.. (発表予定). (2000)