1999 Fiscal Year Annual Research Report
シンプレクティック空間における局所化と大域的構造の研究
Project/Area Number |
11740048
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
高倉 樹 中央大学, 理工学部, 講師 (30268974)
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Keywords | 運動量写像 / シンプレクティック商 / 幾何学的量子化 / 余随伴軌道 / 局所化定理 / ディラック作用素 |
Research Abstract |
コンパクト群の余随伴軌道たちの直積空間は、対角的作用によって、ハミルトン的空間の構造を持つ。そのシンプレクティック商は、非アーベル的な群による商の典型例であるばかりでなく、ある種の幾何学的対象のモジュライ空間ともみなすことができる。また、各余随伴軌道をいろいろ取り替えることにより、商の位相型はさまざまに変わりうる。したがって、このシンプレクティック商のトポロジーや幾何学の研究はさまざまな分野において興味をもたれており、例えば各種の位相不変量や特性数を計算することは本質的に重要な問題と考えられる。 本年度の研究成果のひとつとして、2次元特殊ユニタリ群の場合の上記シンプレクティック商(の族)の体積およびすべてのコホモロジー交叉積を与える公式を得た。その手法は、ギルマン・スターンバーグの量子化定理とコンパクト群の表現論を用いるというものである。その結果、単に個々の交叉積ではなく、その生成母関数が直接に明白な形で得られるという特徴を持つ。また、原理的には任意の群に対して適用できる一般的な方法であるという点にも特色があると考える。さらには、研究課題名に挙げた「シンプレクティック空間における局所化と大域的構造」の関係が有効に応用される典型例としての意義もある。 なお、今回得られた公式は、組合せ論的にも非常に興味深い。任意のコンパクト群に対する一般化とともに、別種のモジュライ空間に対する同様の公式(フェアリンデの公式およびウィッテンの体積公式等)との関連についても、現在研究を継続中である。 一方、上記とは独立の成果として、4次元整シンプレクティック多様体のディラック作用素の指数に関して、いくつかの正値性定理を得た。その過程において、トッド種数が負になる4次元シンプレクティック多様体の決定問題という課題が明確になった点は意義深いと考える。
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Research Products
(1 results)