1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740055
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
藤間 昌一 茨城大学, 理学部, 助教授 (00209082)
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Keywords | 流れ問題 / 領域分割法 / 有限要素法 / 自由境界 / 移動境界 / 表面張力 |
Research Abstract |
2種類の非圧縮粘性流体が溶け合わず界面に表面張力が働く流れ現象に対して、高精度で高速な数値解法を構成する目的に向けて、今年度は以下の成果を得た。次年度はこれらを総合した数値解法を構成する予定である。 1.高精度性に向けて (1)表面張力の有限要素近似モデルとして、表面カの体積力化(CSF)モデルの有限要素法への適用モデルと、界面要素アスペクト比数を用いた新しい数理モデルの提案を行った。レイリー・テーラー不安定問題の数値実験で界面がマッシュルームキャップ形状に変形する際に表面張力により界面形状が丸くなる様子を観察し、モデルの定性的良好性を確かめた。 (2)表面張力の計算には擬密度関数の微分係数から求める近似法線ベクトルと近似曲率を用いる。近似精度の確保には擬密度関数の遷移領域内で幅方向の要素分割数を大きくとることが有効だが、それは計算時間の増加を招く。試験問題による数値的な検討を行い、幅方向の分割数は5程度が適当という指針を得た。 2.高速な数値解法に向けて (1)従来得られていた領域分割有限要素法による流れ問題の数値解法を自然に拡張して、流速・圧力のナヴィエ・ストークス方程式と擬密度関数の輸送方程式それぞれに領域分割法を適用する数値解法の定式化を行った。 (2)ストークス方程式の2次(流速)・1次(圧力)の領域分割有限要素法で、界面上で流速の連続性のために導入するラグランジュ乗数の1次要素近似を試み、誤差の2次収束性がこの組み合わせの領域分割有限要素法で保たれることを数値的に確かめた。
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