1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂上 貴之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (10303603)
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Keywords | 渦層 / 渦法 / 複素時間特異点 / スパイラル解 |
Research Abstract |
本年度の研究計画に基づき3次元回転流中に生成された渦層の時間発展の結果から予測された「渦度に沿った一回微分」の爆発についての研究を行った。研究の過程で爆発しているのは実は渦度ではなくて渦面に連続的に分布している渦線に沿った面の2階微分ではないかというConjectureが得られた。このConjectureを確固としたものとするために、問題を少し簡略化してそれが事実であることを数値的に確かめるモデルの構築を行った。このモデルについては現在研究中である。 もう一つの研究の柱である今回の渦層の数値計算において用いた非特異化の手法「渦法」によって得られた解と特異な方程式の解との間の関係を解に現れる複素時間特異点の分布によって理解しようと言う試みを2次元の渦層の運動を記述するBirkhoff-Rott方程式に対して適用した。その結果複素時間特異点の分布という観点から、実時間の考察からは見ることのできなかった二つの解どうしの関係を結びつけることができた。この数値結果を基づいて現在は2次元スパイラル解と複素時間特異点の間の関係を調べるモデルを構築した。このモデルの数学的な取り扱いは来年度に行われる。
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