1999 Fiscal Year Annual Research Report
統計的決定理論的なアプローチによる性質の良い推定量の提案
Project/Area Number |
11740069
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸山 祐造 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助手 (30304728)
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Keywords | 数理統計学 / 統計的決定理論 / スタイン問題 |
Research Abstract |
本年度は主に,正規分布を仮定しない場合のスタイン問題こついて考えてきた。特に,scale mixtures of multirariate normal distributionsに対する許容的でミニマクスな推定量について研究してきた。正規の場合には,既に理論の精緻化がなされており、許容的でミニマクスな推定量が得られている。これに対して非正規の場合には,Brown(1966)Strawderman(1974),Berger(1975),Brandwein and Strawderman(1978,1991)らの一連の研究において、球面対称分布の平均ベクトルの推定問題に対するミニマクス推定量のクラスが提案されている。しかし,自身よりも良い推定量が存在しないことを主張する性質である「許容性」も合わせ持つような推定量はまだ提案されておらず、統計的決定理論の立場から,そのような推定量を提案するのが望まれていた。本年度は.ロス‖δ-θ‖^2に対して,球面対称分布のsubclassであるscale mixtures of multivariate normal distributionsの推定問題を考え、少なくとも多変量t分布を含むようなクラスに対して,ミニマクスで許容的な推定量を提案することが出来た。 具体的には事前分布として,scale mixtures of multivariate normal distributionsを想定し,scale mixture functionのある関数がbeta分布に従うという階層型事前分布を考え,そのような事前分布に対するベイズ推定量を考える。このとき統計量Xのscale mixture functionであるgが,s_1【less than or equal】s_2とt_1【less than or equal】t_2に対し、g(s_1t_1)g(s_2t_2)【less than or equal】g(s_1t_2)g(s_2t_1)を満たし,またbeta分布の二つのパラメータがある条件を満たせば、このベイズ推定量は,ミニマクスで許容的であることがわかる。また多変量t分布に対するgは、上の条件を満たす。この結果はある論文誌に投稿中である。
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Research Products
(1 results)