2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740076
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
梶原 健司 同志社大学, 工学部, 助教授 (40268115)
|
Keywords | 離散可積分系 / 離散パンルヴェ方程式 / 超離散パンルヴェ方程式 / パンルヴェ方程式 / 特殊関数 / 直交多項式 |
Research Abstract |
今年度はNoumi-Yamadaによるパンルヴェ方程式の対称形式の理論を拡張し,A^<(1)>_l型アフィン・ワイル群対称性を持ったq-差分パンルヴェ方程式の族の対称形式を構成することができた.すなわち,新しい離散パンルヴェ方程式の階層,それらの対称性,τ関数,特殊関数型の特殊解および有理解の行列式表示などを組織的に構成することに成功した.また,これらの方程式の「時間発展」の方向はA^<(1)>_1対称性を持ち,構成された力学系はA^<(1)>_l×A^<(1)>_1root格子上の力学系と見なすことができる.今年度は特にA^<(1)>_2型対称性を持つq-差分パンルヴェIV方程式を詳しく研究し,特殊解としてcontinous q-Hermite関数で表わされる族と,Jacobi-Trudi型の行列式公式を持ち,q-Schur関数の特殊化と見なすことができる有理解の族を構成した.さらに,これらの方程式を対称性を保ったまま超離散化することに成功した. それと平行してパンルヴェV方程式の有理解を研究し,その結果,従来知られていたJacobi-Trudi型,すなわちSchur関数の特殊化の行列式表示ではなく,universal characterの特殊化としての表示を見い出した.この表示は従来の理論からは全く予想されないもので,表現論とパンルヴェ方程式の新しい関係がここから見えてくるものと思われる.同様の公式は今年度構成したA^<(1)>_3アフィン・ワイル群対称性を持つq-差分パンルヴェV方程式に対しても成り立つものと思われる. 以上の結果については現在論文を投稿中である.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] K.Kajiwara: "Determinant Formulas for the Toda and Discrete Toda Equations"Funkcialaj Ekvacioj. (掲載予定). (2001)
-
[Publications] 増田哲: "PainleveV方程式の有理解とuniversal character"京都大学数理解析研究所講究録. (掲載予定). (2001)
-
[Publications] 増田哲: "Painleve方程式の有理解に対するSchur関数型表示"京都大学数理解析研究所講究録「離散可積分系に関する最近の話題」. 1170. 99-110 (2000)
-
[Publications] 中村佳正 編: "可積分系の応用数理"裳華房. 316 (2000)