1999 Fiscal Year Annual Research Report
反応拡散方程式系における拡散の役割と爆発の関係について
Project/Area Number |
11740077
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 講師 (90251610)
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Keywords | 拡散 / 反応拡散系 / 爆発問題 |
Research Abstract |
本研究では,拡散の役割を調べるために,反応拡散方程式系における拡散の役割を重点的に調べている.特に爆発問題との関係を重視して研究している.また,通常予想されてこなかった意外な側面の発見を行い,それによって拡散のもつ性質を外延しようと試みてきた.今年度は,次の3テーマを中心に研究を行ってきた. 1.反応拡散方程式系の自己相似解の構造 2.拡散の役割と拡散誘導現象 3.拡散律速凝集と反応拡散方程式系 テーマ1の一部として,非線形楕円型方程式の解の分岐を調べた研究を論文として発表した.テーマ1と3は,反応拡散方程式系の解構造全体を調べるという目的のため,あるパラメータを含む反応拡散方程式系の極限方程式系の導出という問題にとらえなおした.テーマ3との関連で自由境界値問題と反応拡散方程式系との関係を調べて,論文投稿の準備を現在進めている. 拡散誘導現象は,拡散の効果によって爆発しない常微分方程式系が爆発することがあることを結論づける興味深い結果である.拡散誘導現象の中で,拡散がどのような役割をしているのか調べるために,現在様々な方程式系について拡散誘導現象の有無を調べている.また,拡散誘導現象が起きる反応拡散方程式系において,爆発の起きる付近に注目した極限の方程式系の導出などを試みている段階である.
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