1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740086
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
川向 洋之 三重大学, 教育学部, 講師 (00303719)
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Keywords | 2変数IV型Painleve方程式 |
Research Abstract |
岡本和夫氏により,1変数のIV型パンルヴェ方程式はA^<(1)>_1型のアファインワイル群対称性をもつことが知られている.2変数の場合でもこのような構造を持つか調べるため,次の手順で2変数のIV型パンルヴェ方程式の有理解を研究した. 1.有理解があると仮定してその解をハルトークス級数に展開し,主要項の満たす(一変数の)微分方程式を求める. 2.留数解析を用いて,1.で得られた方程式の有理解を全て求める. 3.2.で得られた解から2変数IV型パンルヴェ方程式の解を構成し,その中から有理解を取り出す. 留数解析を用いて有理関数を求める方法は,一変数の場合,すでに知られたものであるが,ハルトークス級数を用いて2変数の場合の有理解を全て求めたのは初めてと思われる. 上記の研究の結果,有理解はパラメータに特殊な制限を付けたときのみ存在し,しかもその解は2変数のエルミート多項式(デビズム多項式)で表されるものしかないことが判明した.また有理解が現れるときのパラメータの様子から2変数IV型パンルヴェ方程式方程式の対称性はA^<(1)>_1型で無いことが判明した.
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