1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740095
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小森 洋平 大阪市立大学, 理学部, 助手 (70264794)
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Keywords | タイヒミュラー空間 / 擬フックス群 / プリーツ不変量 / ベアスマスキットスライス |
Research Abstract |
タイヒミュラー空間を擬フックス群の空間QFの正則なスライスで実現してそのプリーツ不変量を調べることが研究の目的である。今回はベアス・マスキットスライスというスライスについて調べた。ベアス・マスキットスライスを次のように定義する。BM^s_<γλ>:={[ρ]∈QF|PL^s(Γ)=γ,l_γ(Γ)=λ}ここで、PL^s(Γ)はΓ=ρ(π_1(S))の極限集合ΛのH^3での凸包の境界の折れ目線とし、lγ(Γ)はγの∂C_s上での双曲的長さとする。以下では、s=-,γ∈C(S)と仮定する。まず、ベアス・マスキットスライスの等角構造について述べる。ミンスキーの写像υ:D(π_1(S))→H^^-^2×H^^-^2-Δ,υ([ρ]):=(υ_-,υ_+)を用いて、Proj_+:H^2×H^2→H^2をProj_+(υ_-,υ_+)=υ_+で定義する。このとき、McMUllenの地震変形の結果を用いて次が示される。Proj_+ουのBM^-_<γ,λ>への制限は、BM^<γ,λ>_-とH^2の境円板の外部H_λ:={υ_+∈H^2|l_γ(μ_+)>λ}との間の等角写像である。ここで、l_γ(μ_+)はυ_+∈H^2に対応する1点穴あきトーラスのリーマン面でのγ∈C(S)に対応する測地線の双曲的長さとする。この系として、BM^-_<γ,λ>は連結かつ単連結であることがわかる。次にベアス・マスキットスライスの境界の位相的構造について述べる。υ(BM^-_<γ,λ>)のH^^-^2×H^^-^2-Δでの閉包をυ(BM^-_<γ,λ>)と表すことにする。このとき、Proj_+のυ(BM^<γ,λ>_-)への制限は、υ(BM^<γ,λ>_-)と{υ_+∈H^2|l_γ(μ_+)【greater than or equal】λ}∪(R-{γ})との間の同相写像であることがわかる。ミンスキーの終端層定理を用いて次が示される。Υ^<-1>のυ(BM^-_<γ,λ>)への制限は、υ(BM^-_<γ,λ>)とBM^-_<γ,λ>のQFでの閉包BM^-_<γ,λ>との間の同相写像である。
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