Research Abstract |
1<p<∞,p≠2とし,M_1,M_2を任意のvon Neumann環,φ_0,ψ_0をそれぞれの上の忠実正規半有限荷重,L^p(M_1;φ_0),L^p(M_2;ψ_0)をHaagerupの構成法による非可換L^p空間,TをL^p(M_1;φ_0)からL^p(M_2;ψ_0)への全射線型等距離作用素とする.Tから,前双対空間の間に写像γ:(M_1)_*→(M_2)_*が自然に誘導され,もしγが線型であることを証明できれば,Tの構造が十分に述べられることが,すでに分かっていた.γの線型性を調べるため,まず連続性を調べる必要がある.M_1がσ-有限測度空間(X,〓,μ)による可換von Neumann環L^∞(X,〓,μ)の場合,γの連続性は,ある写像π:L^1(X,〓,μ)→L^p(X,〓,μ)の連続性に帰着され,前年度に次のことが明らかになっていた: (1)πはL^1(X,〓,μ)で連続である. (2)‖π(f)-π(g)‖_p【less than or equal】C‖f-g‖_1,f,g∈L^1(X,〓μ),を満たすような正の定数Cは存在しない. 今年度はM_1がHilbert空間H上の有界線型作用素全体のなすvon Neumann環B(H)の場合,γの連続性を研究した.得られた新たな知見等の成果は次のとおり: 1可換の場合と類似の点として,Schattenのp-イデアルをC_pと表わすとき,問題は次のような写像ρ:C_1→C_pの連続性に帰着する. ρ(a)=u_a|a|^<1/p>,a∈C_1 ただし,a=u_a|a|は極分解を表わす. 2Hが有限次元の場合でも,可換の場合の手法では,ρの連続性を証明することは困難である.その理由は,aを動かしたとき,u_aの部分が可換の場合より遥かに複雑に振舞う余地があるためである. 3しかし,同様の結論は成立すると予想され,マジョリゼーション理論で用いられる外積代数によるコンパクト作用素の特異値の解析の手法を試みる段階である.
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