1999 Fiscal Year Annual Research Report
近傍活動銀河核の可視・赤外線同時モニター観測によるダストトーラスの構造の解明
Project/Area Number |
11740120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
峰崎 岳夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60292835)
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Keywords | 活動銀河核 / 宇宙塵 / 変光観測 / 観測装置開発 / 赤外線撮像 |
Research Abstract |
当初の研究計画では活動銀河核のダストからの放射を観測する近赤外線カメラとして国立天文台で開発した広視野赤外線カメラPICNICを用いる予定であったが、科研費申請後の1999年の3月にPICNICのADボードが故障し復旧の見込みが立たない状況になった。活動銀河核のモニターが可能なほど観測時間を利用できる近赤外線カメラが本研究には必要不可欠なため、代わる手段として申請者が携わっているMAGNUM計画の多波長カメラおよび望遠鏡を利用して本研究のための近傍活動銀河核の観測を遂行すべく研究計画を変更した。近傍活動銀河核の測光において同カメラの視野が狭いのが難点であるが逆にシーイングは当初計画していた国内での観測に比べてはるかに良いため、銀河本体の星の放射成分の差し引きには有利であり標準星を用いた測光によってモニター観測を行なう予定である。 そこで本研究の観測目的に合わせるために同計画の多波長カメラの改良を行なった。とくに近傍活動銀河核の放射スペクトルのうち強力な広帯域/狭帯域輝線の影響を避けながら非熱的連続波成分の変光を観測するために、多波長カメラ付属のIバンドフィルタを新しいものに交換して効率を向上させた。試験観測は来年度から開始する予定であり、観測当初に低光度で変動のタイムスケールが短いと思われる近傍活動銀河核のモニター観測を重点的に行ないダストトーラスの構造の解明のためのデータを取得する予定である。
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