1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土井 靖生 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70292844)
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Keywords | 遠赤外線 / 検出器アレー |
Research Abstract |
本研究は、高感度の遠赤外線検出器(検出波長100μm-200μm)を、多素子且つコンパクトな2次元アレーとして製作する事を目的としている。この為本年度は、以下の試作を行った。 ・検出素子配置用治具製作検出素子は、1mm角のGe:Ga素子を縦一列に配置し、これを破断限界付近まで機械的に加圧して用いる。この為各素子の配置位置精度を上げる事が、多素子アレー検出器製作の上で不可欠である。これまで用いていた方法では、位置精度は最悪値20μmの程度であったが、今年度この値を改善すべく素子配置治具を製作し、その結果10μm程度の配置位置精度を得る事が出来た。 ・0.5mm角素子用スペーサ製作検出素子にはこれまで1mm立方角のGe:Gaチップを用いて来たが、このサイズはより小さい方が、1)電極間距離の減少による検出感度の上昇、2)チップ体積の減少に因る耐宇宙放射線性の向上、3)加圧々力の軽減に依る加圧機構のコンパクト化、の各効果が期待でき、利点が大きい。しかし一方で、小さいチップ程加圧時の位置精度、機械精度が要求され、困難が大きい。これ等のトレードオフを考慮し、今回我々は1mm立方角チップと併せ、0.5mm立方角のチップの加圧をテストする事とした。0.5mmチップを安定して加圧する為、その上下に挟む各0.25mm厚の金属製スペーサを製作した。 ・15×5素子配置以上の準備を経て、5列15段の計75素子のチップからなる検出器を組み立てた(内1mm角素子は3列45素子)。今後この検出器を試験するセットアップが整い次第、素子に徐々に機械的圧力を加えながら、その検出特性を確認する試験に入る。 ・検出器試験装置製作上記の検出器を試験する為の、宇宙低背景光環境を再現する試験装置を設計、製作した。現在単体部品の製作を終わり、その組み上げと平行して、試験用エレクトロニクス、及びソフトウェアの製作中である。
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