1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740129
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
布施 泉 北海道大学, 情報メディア教育研究総合センター, 助手 (70271806)
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Keywords | ハイパー核 / クラスターモデル |
Research Abstract |
以下では、本年度の研究実施計画「静止K-反応による∧及び、Σハイパー核の生成率とハイパー破砕片の生成機構」についての今年度の研究実施状況を述べ、来年度の計画についても簡単に触れる。 s殻核からsd殻核までを標的とする静止K-反応を議論するために、今年度の目標は、その始・終状態の核の記述を統一的な枠組みで行うことであった。その記述として、CPC(Cluster and Particle Cloud)モデルを取り上げる。CPCモデルの概念は、核を、強く束縛したクラスター(主にα粒子)と、そのまわりの弱く束縛した粒子(核子やハイペロン)の運動として捕らえるということである。既にBe、Cアイソトープでは、CPCモデルの試みは行われている。そこで本年度は典型的なsd殻核であるSiアイソトープを、7αと付加中性子という記述をしたモデルで扱い、実験のエネルギースペクトル等と比較した。結果は、1999年秋の物理学会、京都基礎物理学研究所の研究会「不安定核の構造と反応」にて報告し、負パリティのエネルギーレベル構造もおおまかに再現することを示した。また、2000年春の物理学会では、更に、E2遷移といったより詳細な物理量と計算値を比較する予定である。 来年度は、これらの結果を基に、核の始・終状態を構成する。まずは、今年度できなかった、ハイペロンを含む核の終状態をCPCモデルで記述する。その後、本題であるハイパー核の生成と、パイオン放出崩壊過程について議論する予定である。
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