1999 Fiscal Year Annual Research Report
陽子崩壊探索における大気ニュートリノバックグラウンド事象の研究
Project/Area Number |
11740139
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩澤 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (70272523)
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Keywords | 陽子崩壊 / 大気ニュートリノ / スーパーカミオカンデ / 核内効果 |
Research Abstract |
今年度の計画は主に2つにわけられ、 1,ニュートリノと核子との相互作用 2,相互作用の結果生成された中間子と核内の相互作用 となる。いずれもsimulationプログラムの改良を行い、より信頼度高いバックグラウンドの評価につなげるものである。1については、まずニュートリノによるπ生成の割合、角分布を計算しているプログラムの改善を行った。この計算は一端共鳴状態を軽油して、その崩壊からπを生成するプロセスを計算しているが、その共鳴状態として、計算されている20個全ての共鳴状態を計算に入れるように変更した。また、崩壊で生成される中間子についても、πのみしか考慮していなかったが、Kメソンとηメソンへの崩壊も新たに加えた。これらは陽子崩壊モードでKやηメソンを終状態に含むものに対する、バックグラウンドを評価する時に重要となるものである。 2については、πに加えて新たにρ、ω粒子の核内での相互作用を考慮に入れるようプログラムを改善した。ρについては平均寿命が短いため、100%核内で崩壊させ、崩壊によって生成された2つのπについて、核内での相互作用をsimulateしている。陽子崩壊p→eρにおいては、48%の確率でπ+とπ-が核外に出ることがわかった。一方ωについてはωそのものと核子の相互作用の断面積をLykasovらの方法を用いて計算した。この方法ではωの相互作用をπ、ρ、σ、ω等一つの中間子を交換することによって起こるとして計算されている。このsimulatorにより、p→eωモードにおいては、27%の確率でωが核内で相互作用をすると見積もった。
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