1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740151
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 州 神戸大学, 理学部, 助手 (20243298)
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Keywords | 長基線ニュートリノ振動実験 / K2K / 前置検出器 / fine-grained検出器 / 電磁シャワー / SFT / IIT-CCD |
Research Abstract |
本研究では、つくばー神岡間長基線ニュートリノ振動実験(K2K)の前置検出器中のfine-grained検出器を用いた電磁シャワー事象の同定が重要となる。Fine-grained検出器中、特にシンチレーティングファイバー飛跡検出器(SFT)はK2K実験用に新しく製作された検出器で、信号の読み出しにイメージインテンシファイアーチューブ(IIT)-CCDチェーンを使用している。このIIT-CCDチェーンではCCD画像上の座標と実空間での座標の対応関係を正しく知ること(位置較正)が重要となる。本研究では、まず、この位置較正の方法を確立し、それが正しく行われていることを確かめた。また、IITでは本物の信号に付随して、現段階では除去不可能な雑音が存在する。この影響ついてはシミュレーションによって調べなければならない。本研究では、K2K実験用に開発したシミュレーションプログラムを用いてそれを調べた。その結果、SFTの信号検出効率に与える影響は小さいことがわかった。 以上の結果を踏まえて、SFTを含めたfine-grained検出器全体を用いた研究を行った。まだデータ数が少ないので確定的なことは言えないが、電磁シャワーの同定は、1GeV以上のエネルギーのものに限っても困難であることがわかった。これは、一つには、SFTにおいて通常の飛跡検出には問題なくとも電磁シャワーの同定には無視できない雑音の混入があるためと考えられる。今後の課題としては、データ数を増やした後、可能な限り雑音を除去し、SFTの応答について理解を深めることである。
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