2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740208
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
廣井 政彦 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (80212174)
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Keywords | 比熱 / 酸化物 / 低次元 / 超伝導 |
Research Abstract |
今年度は興味ある酸化物の試料を製作し、前年度に整備した比熱測定装置、電気抵抗測定装置を用いて、その物性を測定した。Sr_<14-x>Ca_xCu_<24>O_<41>はCu_2O_3の梯子とCuO鎖を持った構造をしており、Caが多く置換された試料において高圧下で超伝導を示すことで興味を持たれている。、また、その試料が常圧下で低温において反強磁性転移を示すことでも興味深い。この酸化物についての単結晶試料作製、Cuサイト置換効果の研究を行った。この物質はすでにFZ法によって大型の単結晶作製が作られているが、フラックス法による簡便な作成法が報告されており、それを試みた。いろいろな作成条件を試み、比較的大きく良質な試料作成に成功した。今後、その輸送や光学的性質を調べていく予定である。また、焼結体試料によるCuサイト置換効果を試みている。これについては現在、いろいろな物質でCuサイト置換が可能かどうかを調べている。このような置換により、キャリアードーピングが可能か、あるいは反強磁性が誘起されるかなどについて、比熱などの熱的性質や、電気抵抗などの輸送係数を測定して調べていく予定である。これによりCuサイト置換がされてない系の、キャリアードーピングや反強磁性の機構について、ひいては超伝導発現の機構についての知見が得られると考えられる。 また、これと関連してSr_<14-x>Ca_xCu_<24>O_<41>とおなじ鎖構造を持つCa_<0.85>CuO_2を作製した。この物質を調べることにより鎖の性質が明らかになり、Sr_<14-x>Ca_xCu_<24>O_<41>の梯子の性質を明らかにするのに役立つ。また、この物質の量子スピン系としての磁性自体大変興味深い。これは低温で反強磁性転移するが、その様子などを比熱などで調べている。 また、この他に比熱測定によりホイスラー合金などの磁気相転移や構造相転移などについても調べている。
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[Publications] S.Kobayashi et al.: "Transport properties in phase IV of Ce_xLa_<1-x>B_6"Journal of Physical Society of Japan. 69・3. 926-936 (2000)
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[Publications] M.Hiroi et al.: "Study on CuGe_<0.9885>Si_<0.0115>O_3 in high magnetic fields by specific heat measurements"Physica B. 281-282. 669-670 (2000)
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[Publications] S.Kobayashi et al.: "Transport properties in phase IV of Ce_xLa_<1-x>B_6"Physica B. 281-282. 557-558 (2000)
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[Publications] M.Hiroi et al.: "Magnetic phase diagram of CsCuCl_3 studied by specific heat measurements"Physica B. 284-288. 1605-1606 (2000)