1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740242
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
桂川 眞幸 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (10251711)
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Keywords | 誘導ラマン散乱 / コヒーレンス / 高次 / 広帯域 / 固体水素 / 量子干渉効果 |
Research Abstract |
固体水素をラマン媒質として、真空紫外(100nm〜)から赤外(数μm)の超広帯域にわたる高次ラマン散乱光系列の生成を目的に研究をおこなった。通常の高次ラマン散乱光発生と異なる点は、全てのストークス、アンチストークス光が位相整合条件に束縛されずに励起光と全く同軸に発生すること、及び、生成された高次光系列の強度分布が真空紫外から赤外域まではほぼフラットになることの二点にある。本研究は2年の期間で計画され、本年度はその初年度に当たる。以下これまでに得られた成果をまとめる。 固体水素薄膜結晶 バルク結晶を対象に確立した固体水素高品質単結晶成法(液相加圧結晶成法)の技術を薄膜結晶(1mm以下)に応用することを試みた。常温から液体He温度に向かう材料の熱収縮を考慮して、高圧(30気圧)下でも光学窓がシールされるようにサンプルセルをデザインした。その結果、1mm以下、数μmの薄さまで任意の厚みの薄膜結晶を作成する技術を確立することができた。 波長可変単一縦モードパルスレーザーシステム 738nmを中心波長として発振する注入同期単一縦モードパルスチタンサファイアレーザーを製作した。注入同期用の種光には、市販の単一縦モード連続発振レーザー(Coherent889 Ring Laser)を用いた。励起エネルギー50mJ(YAGレーザー2倍波:532nm)に対して、エネルギー10mJ、パルス幅20nsでかつほぼフーリエトランスフォームリミットの線幅を持ったパルス出力光を得ることができた。 高次誘導ラマン散乱光発生実験 固体水素のQ_1(0)遷移(v=1←0,J=0←0)にほぼラマン共鳴する単一縦モードパルスレーザー対(YAGレーザー基本波:1.064μm,Ti:Al_2O_3レーザー:738nm)を時間的にオーバーラップさせて厚み250μmに用意した薄膜固体水素結晶に入射した。アンチストークス光の1次(565nm)2次(458nm)3次(385nm)及びストークス光の1次(1.9μm)が位相整合条件に束縛されずに励起光と全く同じ同軸に(ガウス分布した空間パターン)をもって放射されるのが観測された。200MW/cm^2の励起強度に対して現状で得られている最大の変換効率は、アンチトークスの1次、ストークスの1次ともに15%程度である。 今後 計画初年度の研究を通して、実験システムを確立すること、及び現象の基本を確認することができた。次年度は、本計画の目的である超広帯域高次ラマン散乱光系列の発生に向けて現象を系統的に調べつつ実験条件を最適化していく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fam Le Kien,J.Q.Liang,M.Katsuragawa,K.Ohtsuki,K.Hakuta and A.V.Sokolov: "Subfemtosecond pulse generation with molecular coherence control in Stimulated Raman scattering"Physical Review A. 60. 1562-1571 (1999)
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[Publications] M.Katsuragawa and K.Hakuta: "Raman Gain measurement in solid parahydrogen"Optics Letter. (2000)
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[Publications] S.Uetake,M.Katsuragawa,M.Suzuki and K.Hakuta: "Stimulated Raman scattering in a liquid-hydrogen droplet"Physical Review A. (2000)