1999 Fiscal Year Annual Research Report
地殻及び上部マントルの短波長不均質構造に関する研究
Project/Area Number |
11740252
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉本 和生 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10281966)
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Keywords | 地震波エンベロープ / 不均質構造 / 群列地震観測 / 地殻 / 上部マントル / 散乱 |
Research Abstract |
地殻及び上部マントルのランダムな短波長の不均質性を明らかにする目的で,地震観測及び理論・解析手法の開発の両面から研究をすすめた.同研究によって得られた成果について,以下に具体的にまとめる. 1.群列地震観測 (1)群列地震観測用の地震波収録システムを製作した.システムの性能は,入力チャンネル数16,A/D分解能16bit,データ記録容量3Gbyteである.また,GPS時計の使用によって,刻時は高精度で確保できる. (2)群列地震観測用システムを地盤条件の良い北上地域(岩手県遠野市)に設置して,高感度の地震観測を開始した.これにより,SNの良い多数の地震波形記録が収録された. 2.解析手法の開発 (1)空間的に地震波速度が変化するランダム不均質構造についての地震波エンベロープの理論的な合成法を開発した.モンテカルロ法に基づく同手法は,差分近似によって輸送方程式の時間発展を評価することから,複雑な速度構造モデルについても適用が可能である. (2)1992年のLanders地震の余震波形データに同手法を適用して,深さ方向の地震波速度勾配が地震波エネルギーの時空間分布にあたえる影響を評価するとともに,散乱の非等方性が地震波エンベロープの形状に及ぼす効果を明らかにした.
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Research Products
(1 results)