1999 Fiscal Year Annual Research Report
海底電磁気観測で探る西九州プリューム・テクトニクス
Project/Area Number |
11740257
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤 浩明 富山大学, 理学部, 助教授 (40207519)
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Keywords | 海底電磁気観測 / マントルプリューム / 西九州 / 水 / 電気伝導度 |
Research Abstract |
本研究の目的は,海底で観測された電場及び磁場の時間変化データから,導体地球の応答関数を求め,それを用いて地球内部電気伝導度を推定し,九州西方海域にその存在が予想されている世界でも有数のマントル上昇流(マントル・プルーム)の存否を検証する事である.マントル上昇流が存在するとすれば,それは高温かつ部分溶融の度合いが高く,従って,電気伝導度が高く出る為,プルームの規模や強さを求めるには電磁気的な方法が有効である. この目的を達成する為,今年度はデータを収集・整理する事に重点を置いた.昨年秋東京大学海洋研究所研究船「淡青丸」で海底電磁気観測を実施した九州大学・佐賀大学の研究者との研究打ち合わせの結果,これまでに得られた関係各分野(陸上及び海底電磁気,地震,重力等)のデータの現状等の全貌を明らかにする事が出来た. また,本研究では,地下電気伝導度推定に電場と磁場の両方を用いるMT法以外に,陸上の磁場と海底の磁場との比を用いるVGS法も併用する所に一つの特徴があるが,MT法やVGS法といった地球内部電磁誘導手法の世界的権威である英国ケンブリッジ大学の研究者とも研究打ち合わせを行い,データ解析手法についても技術革新を行った. これらデータ収集及び解析手法の改善の過程で,来年度の研究のとりまとめに向け,補うべき観測点の配置やデータ解析上の問題点を浮き彫りにする事ができ,初年度の研究の進行状況は満足のいくものであったと考えられる.
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