1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740260
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
伊藤 孝士 国立天文台, 天文学データ解析計算センター, 助手 (40280565)
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Keywords | 惑星 / 原始惑星 / 間隔 / 数値計算 / 形成過程 / 天体力学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、木星型巨大惑星の重力摂動下にある原始惑星の軌道進化と安定性を数値シミュレーションにより確認し、現在の惑星の間隔と個数の必然性等に関する議論を行うことにある。今年度はそのための準備的な研究として高速高精度の数値解法の開発と実装を行い、予備的な計算を行った。 微惑星の暴走成長以降の局面は、摂動力学系的な性質と一般の重力多体系的な性質の双方を合わせ持つ時期である。申請者はかつてもこうした重力多体系用の数値解法の開発を試みて来たが、改良の余地はまだ存在している。例えば原始惑星の運動はそもそも円運動に近い所から出発するので、既にケプラー運動という零次の近似解がわかっている。即ち、天体の運動がケプラー運動に近い場合には、そこからのずれだけを数値的に求めれば良いということになる。この考え方に基付けば、それぞれの天体に対して異なる刻み幅を与え、計算量の大幅な削減を実現することができるであろう。この方法に関しては具体的な定式化の最中であり、次年度にはコード実装を完了して本格的な計算を実行する予定である。 一方、一旦天体同志の近接遭遇が発生すると、散乱や衝突合体などが進行して系の不安定は一気に加速する。従って、原始惑星系の力学的進化を追いかけるには、近接遭遇を扱うことができ、且つ摂動力が小さい場合には高速高精度の計算を行える二種類の性質を兼ね備えた数値解法が必要とされる。今年度はこうした二種類の特質を合わせ持つハイブリッドな数値計算コードの開発を行い、実装と試験的な計算を行った。結果は幾つかの具体的な成果として結実し、裏面の[雑誌論文]に掲載された論文として発表されている。
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Research Products
(1 results)