1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740262
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
菅原 敏 宮城教育大学, 教育学部, 助手 (80282151)
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Keywords | 一酸化炭素 |
Research Abstract |
平成11年度には、一酸化炭素濃度の高精度測定システムの開発と、高精度標準ガスの製造に重点を置き、以下のことを実施した。 (1)高精度一酸化炭素測定のために、ガスクロマトグラフを改造し、ディテクタの電気的なノイズを最小限に抑えることに成功した。さらに、デッドボリュームがほとんど無いガス導入系を開発することにより、ごくわずかなサンプル量でも、コンタミネーションの無い分析が可能となった。 (2)新たに重量法によって一酸化炭素の標準ガスを製造した。濃度の正確な決定のために、製造の各段階の原料ガスの品質を厳しくチェックした。あらかじめ原料の不純物成分を測定し、製造時の不純物の効果を補正した。製造した標準ガスを、新たに改造したガスクロマトグラフを用いて、繰り返し分析を実施した結果、ディテクタの良好な直線性と再現性が確認された。繰り返し標準ガスを分析することによって得られた精度は、改造以前の5倍以上になり、1ppbv以下を達成した。また、従来の標準ガスとの相互検定を実施した結果、従来の不純物補止が不完全であったことが判明し、今回の実験によってより信頼性の高い濃度スケールが確立された。 (3)今回開発された高精度一酸化炭素濃度測定システムを用いて、大気中の一酸化炭素濃度観測を開始した。従来より航空機を用いて、上空の空気資料を定期的に採集している東北大学理学部と協力し、日本上空の対流圏内における鉛直分布や、高度別の季節変動などが解明されつつある。
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Research Products
(1 results)