1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740270
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
磯辺 篤彦 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00281189)
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Keywords | 対馬暖流 / 淡水の熱通過量 / ADCPデータ / 潮流調和定数の推算 |
Research Abstract |
1.1999年8月9日〜11日に山口県水産海洋センター調査船「黒潮丸」を用いて、対馬海峡のADCP往復観測を実施した。取得したデータを用いて海峡の潮流調和定数の推算(M1、M2分潮流のみ)を行った。 2.1998年より実施してきた対馬海峡でのADCPデータをとりまとめ、その都度求めてきたM1,M2分潮流の調和定数を、基準点で算出されている4大分潮流の調和定数を用いて、同じ4大分潮流の調和定数に変換する作業を行った。すべての変換結果を平均して、対馬海峡での潮流調和定数の鉛直断面分布を作成した。 3.観測の都度求めてきた残差流分布と、今回求めた調和定数を用いて潮流を推算し、これを生データから差し引くことで求めた残差流分布を比較した。これにより両者の相関係数は0.85、標準偏差は±7.5cm/secとなった。この作業を通して、今回算出した調和定数が精度良く求まっていることを確認した。 4.山口県水産海洋センターに蓄積されているADCPデータから潮流成分を除去する作業に着手した。求めた残差流成分から算出した対馬暖流の年平均流量は約2SVと、既往の研究成果と良い一致をみた。また、CTDデータとあわせ算出した年平均の熱通過量は0.16PW、淡水供給量は2×10^4ton/secとなった。 5.次年度は、計算ミスのチェックを行った後、成果を学会、あるいは学術誌にて公開する。
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